「融資お断り」2人に1人
大手消費者金融会社の融資の審査が厳しくなってきた。武富士、アコム、プロミス、アイフルの大手4社で、新規の借り入れ申し込みに対する承認率は昨年12月で平均44%となり、昨年4月から16ポイント低下。2人に1人以上の確率で貸し出しを断った。2009年末にもローンの上限金利が現在の年29.2%から年15―20%に下がるため、返済能力の高い顧客に絞り込もうとしている。
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大手消費者金融会社の融資の審査が厳しくなってきた。武富士、アコム、プロミス、アイフルの大手4社で、新規の借り入れ申し込みに対する承認率は昨年12月で平均44%となり、昨年4月から16ポイント低下。2人に1人以上の確率で貸し出しを断った。2009年末にもローンの上限金利が現在の年29.2%から年15―20%に下がるため、返済能力の高い顧客に絞り込もうとしている。
改正貸金業規制法の公布による上限金利の引き下げは、過度な金利負担が、借り手を債務返済のための新たな借金に追い込む負の連鎖を防止する効果があり、政府の多重債務問題対策の中核です。
しかし、上限金利の引き下げは、高金利の代わりに、借り手の返済能力の審査(与信)基準を緩めていた、貸し手側の金融機関の融資姿勢にも変更を迫ることになります。与信基準が厳しくなることで、お金を借りられなくなったり、借りているお金の早期返済を求められたりするケースが出てくることが予想されるわけです。
そうなれば、金融機関の新たな基準で融資を受けにくくなった人の資金調達ニーズは、甘い与信を誘い水とする悪質な無登録業者(ヤミ金融)に向かう恐れがあり、新たな多重債務発生の温床にもなりかねません。
多重債務者対策本部は、こうした貸金業法改正で想定される波及影響に対し、適切な借り手保護の仕組みを構築することが狙いです。
全国信用情報センター連合会によると消費者金融の利用者は約1400万人。国民の8・5人のうち1人が消費者金融からお金を借りている計算です。しかも5件以上利用者は約230万人に上っています。自己破産者も10年前から4倍強膨らみ約18・4万人(2005年)に達しています。
この実態を踏まえ、有識者会議は2月から、債務者へのカウンセリング(相談)体制の充実とセーフティーネット(安全網)の2テーマを中心に検討を進める予定です。
現状のカウンセラー不足は深刻で、5件以上借りている230万人に対し、対応できる専門のカウンセラーは30万人分にしか過ぎません。さらに、有識者会議の委員の宇都宮健児弁護士は「多重債務者をカウンセリング機関に誘導する工夫も課題だ」と指摘しています。早期のカウンセリングが問題解決に役立つ半面、自らの借金について第三者への相談に踏み切れない債務者も多いからです。
一方、セーフティーネットについては、政府系金融機関による低金利融資などが選択肢となります。ただ、返済能力の低い特定の借り手の資金ニーズに、どこまで公が関与する必要があるのかなど課題は多く、早急に実現するものではありません。
消費者金融は軒並み収益の低下に苦しんでいる。大手の再編は必至だとささやかれている。関係者の間からは「大手は3社に集約」との見方も出るほどだ。
灰色金利の撤廃などを盛り込んだ貸金業法(旧貸金業規制法)が成立したことで、貸金業の上限金利は年29.2%から利息制限法の上限(年15~20%)に下がる。それだけでも大きな痛手なのに金融庁の消費者金融いじめは銀行界からも「少々やりすぎ」(銀行関係者)に映るほど強烈なようだ。
消費者金融が新たな収益源と期待していた、銀行や信用金庫の個人ローン商品などへの「保証業務」も、金融庁が銀行等に対して暗に消費者金融を締め出すように促し、金融検査では消費者金融などの融資先の残高チェックを厳しめに行っている。ただ、灰色金利での貸付が4,714万件、11兆4,000億円と、件数、金額ともに全体の7割(消費者金融白書06年版)を占めていては、消費者金融の分が悪い。銀行としても、その片棒を担いだとは思われたくはないから、「金融庁からあれば、従わざるを得ない」。金融庁はあの手この手で圧力をかけているようだ。