廃業・倒産の波が波及する?

新貸金業法の施行によって、上限金利は29.2%から一気に15~20%にまで下がることが決まっており、アイフル、アコム、プロミスといった消費者金融は、新規融資を絞っている。

消費者金融やカード会社が一気に与信を絞ったため、個人債務者の資金繰りが急速に悪化している。

これは貸金業自体がビジネスとして成立しなくなっていることも示唆する。政策的対応がなければ、廃業・倒産の波が業界全体に波及するのは時間の問題かもしれない。

プロミスと三洋信販が経営統合

プロミスと三洋信販は、経営統合することに合意したと発表。相乗効果をもとにコスト削減やビジネスモデルの転換を進める。法改正による金利上限の引き下げや貸し出し総量規制で、消費者金融の事業環境が悪化する中、生き残りを図る。これに伴い、三洋信販は上場廃止となる見通し。

消費者金融生き残り戦略

上限金利が年20%へと引き下げられる3年後をにらみ、業界各社の生き残り戦略は、新規事業への参入や優良客の確保で生き残りを目指す「多角化派」と、大幅な事業縮小による「縮小均衡派」に大きく二分された形となった。

大手のうちプロミスに、アコムと武富士を加えた3社は、有人店舗の閉鎖を少なめに抑えつつ、事業多角化や優良客確保で、生き残りを図る戦略。

一方、外資系2社は早々に事業規模を縮小した。「ディック」ブランドで営業する米シティグループ傘下のCFJは、有人店舗の8割を削減。。「レイク」を展開するGEコンシューマー・ファイナンスも、有人店舗を6割以上減らす。業界最大手のアイフルも8割近い有人店舗の削減など大胆な合理化策を発表している。

プロミス、3年間で1000人削減

大手消費者金融のプロミスは、3年間でグループで約4900人の社員を1000人削減するほか、今年度中に店舗数を約15%減らすリストラ計画を発表した。貸金業規制法改正で決まった利息制限法の上限(20%)を超えるグレーゾーン(灰色)金利の撤廃の影響で2007年3月期決算の連結最終損益が3782億円の巨額赤字に転落したため。

赤字転落は09年中をめどに撤廃される灰色金利の返還請求に備えた引当金を1498億円積み増したことが主因。アコムや武富士なども大幅に業績が悪化し、大手4社合計の赤字額は1兆5000億円近くに達する見通し。

店舗閉鎖では08年3月末までに413店ある有人店舗を286店に、1057店ある無人店舗を959店に削減。消費者金融子会社のクオークローン、サンライフについては新規貸し付けを中止。これらにより、約400億円のコスト削減効果を見込んでおり、08年3月期は140億円の黒字確保を予想している。

「融資お断り」2人に1人

大手消費者金融会社の融資の審査が厳しくなってきた。武富士、アコム、プロミス、アイフルの大手4社で、新規の借り入れ申し込みに対する承認率は昨年12月で平均44%となり、昨年4月から16ポイント低下。2人に1人以上の確率で貸し出しを断った。2009年末にもローンの上限金利が現在の年29.2%から年15―20%に下がるため、返済能力の高い顧客に絞り込もうとしている。

プロミス、ライブドアと提携 ネットモールを運営

 消費者金融大手プロミスは、ライブドアと提携し、ライブドアのネットショッピングモール「ライブドア・デパート」の運営を4月から開始すると発表した。加盟店管理なども引き継ぐ。消費者金融業界が低迷するなか、ネット決済事業への本格参入を狙うプロミスと、低迷するショッピングモール事業の運営から手を引き、早期の経営回復につなげたいライブドアの思惑が一致した。プロミス側がモールへの出店者からの手数料徴収や、モール運営を行い、ライブドアはサイト上の広告収入の一部を得る。

 利息制限法の上限(年20%)を超える「灰色金利」の撤廃が決まり、消費者金融業界をめぐる環境は厳しさを増している。プロミスは従来型の利用者の来店を待つ消費者金融事業では経営が成り立たないと判断。ネット決済業務に参入し「利用者獲得に打って出る」(広報)構えだ。一方、ライブドア・デパートは現在の出店者は約3700店で、低迷が続いていた。グループの主力のネットコマース事業の一角だが、「貢献度はほとんどない」状況だった。